椿姫(1936)

1847年のパリ。社交界の花形マルグリット・ゴーティエは、世話役のプリュダンス夫人にロシアのバルビル男爵を紹介すると言われ、オペラ見物の桟敷席に座る。夫人の言う一階の二列目の男性客をオペラグラスで覗くと、一人の美青年がにこやかに微笑みかけた。彼女は彼を男爵と信じたが、実はその幾つか隣の席の男がバルビルで、彼はアルマン・デュバルという学生だった。結局、男爵とも知己となり、彼と金のために同棲するマルグリットだったが、その留守中、競売場で再会したアルマンと急速に親密になる。彼女の家で催されたパーティ。うまいこと他の招待客を追い払うとマルグリットは、アルマンと二人で夕食を取ろうとするが、突然、男爵が帰宅し彼を追い返す。だが、彼への思いは募る。魅力的な田舎での生活の誘いに応じ、結核療養を理由として男爵に告げると、怒った彼は別離を宣言。牧歌的な愛に満ちた田園での暮らしで二人の絆は強まる。揃って出席した友人の結婚式で、お互いに永遠の愛を心に誓うのだった。しかし、アルマンの父の来訪で全てが変わる。一人で彼に会ったマルグリットは子を思う父の情に抗う気持ちになれなかった。そして、故意に高慢に振舞い、アルマンを呆れさせ、男爵のもとに戻る。彼女の心は最早死んだも同然で、病は急速に悪化。が、事情を知らぬアルマンが頑なな心を解き、再び彼女を訪ねたのは、その死期も近づいた時だった。彼の来訪を聞き、ふらふらの体で化粧台に向かうガルボの演技は神がかっている……。

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