小ぬか雨
(C)時代劇専門チャンネル/スカパー!/松竹 藤沢周平(R)
両親を早くに亡くしたおすみは、娘らしい華やかな思い出もないままに育った。今は、伯父に任された履物屋で一人住まいをしている。自らの意思とは関係なく、がさつな職人・勝蔵との縁談も決まり、将来に希望を抱くこともない生活を送っていた。
ある夜、おすみの家に突然若い男が逃げ込んでくる。「喧嘩をして追われているのでかくまってほしい」と言う小綺麗な身なりをしたその男は、 おすみを“お嬢さん”と呼んだ。その響きに、おすみは心の揺らぎを覚える。危険はないように思え、かくまうことにしたおすみだが、やがて男の名は新七と言い、人を殺めて追われていることを知る。