第三の忍者
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京の町では「知道軒道人」という武田家の忍術の名人が織田信長の命を狙っているという噂が流れていた。そんな中、上野の伊賀者の吐根は信長に知道軒の命と引き換えに自分を五百石で雇えと売り込む。信長は喜兵次という忍者と共に五百石を争わせることにした。知道軒は伊賀の上忍・祝部源太夫の弟・三左衛門らしいと噂されていたが、吐根も喜平次もその顔は知らない。伊賀へ向かう二人は道中、四貫目と名乗る奇怪な旅法師と知り合う。彼もまた知道軒を仇と狙う一人で、若い二人に力を借りたいと頼んだ。吐根らは源太夫の妻のちぐさに三左衛門の事を聞きだそうとしたが、源太夫に襲われ危ないところを四貫目に救われた。四貫目は、甲斐の竜王岳に住む乱波の頭領が知道軒らしいと吐根に伝え、その道案内を買って出た。その後を一人の女が尾行していた。知道軒の娘・さぐめである。さぐめは乱波の頭領に捕われ、殺されそうになるところを救われる。頭領は知道軒ではない。一体、誰が知道軒なのか?吐根らは京へ立ち戻った。信長は警護の武士に守られ、吐根ら三人は思い思いの場所で待機すると、果たしてそこに知道軒が現れ、喜平次はあえなく殺された。その頃、吐根はさぐめを捕らえ、三佐衛門の墓のあることを吐根に告げた。さぐめの言葉を聞いた吐根は、四貫目こそ知道軒でることを悟り、死闘の末、知道軒を倒した。出世欲にかられた自分を反省した吐根は、真の人間の生きる道を求めて旅立った。