貌斬り KAOKIRI 戯曲「スタニスラフスキー探偵団」より
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長谷川一夫顔斬り事件。1937年、美男で評判だった林長二郎がスタジオから帰るところを二枚重ねのカミソリで頬を斬られ、日本中が騒然となった。日本映画史上最強のスキャンダラスな事件。
をモチーフにした映画の脚本会議が始まった。監督、脚本家、プロデューサーはじめとするスタッフたちは喧喧諤諤。スポンサーが逃げそうだという電話が入り、助監督見習いが遅れて到着し、ウェイトレスは映画愛が充満し、七転八倒。事件のリアルな仮説に至りたいという監督の思い。脚本会議はスタニスラフスキー・メソッドの場へと移っていく…果たして映画化は実現するのか…。
という舞台の大入り満員の千秋楽。開演間近の楽屋は混乱していた。助監督役の俳優が逃走、主演女優は降板したいと言いはる。「演じることが怖い」と。舞台の幕があがった。果たして舞台は幕を降ろすことができるのか…。