秋の理由

(C)2016「秋の理由」製作委員会
宮本守は本の編集者で、小さな出版社「黙示書房」を経営しているが、経営は苦しく、事務所をたたむことになる。宮本の友人・村岡正夫は作家だが、代表作『秋の理由』以降、小説を発表していない。精神的な不調から声が出なくなり、筆談器を使っている。宮本は村岡の才能を信じ、彼の新作を出したいと思っている。そして実は、村岡の妻・美咲が好きなのである。 ある日、宮本と村岡の前に『秋の理由』を何回も読んだというミクが現れる。ミクは『秋の理由』のヒロインに似ていて、まるで村岡の言葉から生まれたかのような存在である。 ミクと過ごす時間の中で、宮本は美咲への思いをはっきりと自覚するが、美咲はそれを受け入れてくれない。けれど、美咲と村岡の関係は険悪になる。村岡は、正気と狂気の間を揺れ動き、難民的な男女の群れの中に自分がいる夢をよく見る。村岡は自分のそばに宮本がいることを苦痛に感じ、宮本にそれを言ってしまう。すると、宮本は怒りを爆発させる。村岡に、自分に、そしてこの世界のあり方に。

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