女が眠る時
(C)2016 映画「女が眠る時」製作委員会
作家の清水健二は1週間の休暇を取り、妻の綾と共に郊外のリゾートホテルを訪れる。初めて書いた小説がヒットしたもののスランプに陥り、今後就職することが決まっていた健二は、妻との関係も倦怠期を迎え、無気力な時間を過ごしていた。
滞在初日、彼はプールサイドで異様な存在感を放つ、初老の男・佐原と若く美しい女・美樹のカップルに目を奪われる。
その日以来、健二はホテル内で彼らを見かけるたびに後をつけ、部屋を覗き見るようになっていく。部屋には、美樹の体の産毛をカミソリで丁寧にそり、毎晩彼女が眠る姿を撮影し続ける佐原の姿があった。
自ら佐原に近づいた健二は、佐原と初めて言葉を交わしたものの、美樹が眠る動画を見せながら彼が放った「あの子の最後の日を記録しようと思って」という言葉に底知れない恐怖を覚える。危険を感じながらも好奇心をさらに掻き立てられた健二の行動は次第に常軌を逸し、部屋の中に忍び込むという、ストーカー行為にまで及んでいく。
ある日、2人を追ううちにたどり着いた居酒屋で、健二は怪しげな雰囲気を放つ店主により佐原と美樹の過去を知り驚愕する。
その頃、佐原の美樹に対する執着は健二の想像をはるかに超える狂気へと向かっていた。