死臭 つぐのひ異譚
とある閑静な住宅街。松本杏子は、大学から近いこの街に引っ越してきたばかりだった。最近、この辺りで一人の少女が行方不明になり、未だ発見されていないという。確かに、「三島かな」という少女を探すビラが街中いたるところに貼られていた。
ある夜、杏子は急ぎの連絡があるにも拘わらず携帯電話が壊れてしまった為、仕方なく公衆電話を探しに出ることに。やっと見つけた電話ボックスの受話器を取ろうとした瞬間、目の前の電話が鳴り始めた。恐る恐る電話に出てみると、砂嵐のような雑音とかすかな女の声。そして、電話は一方的に切れてしまった…。