嘆きのピエタ
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30年間親の顔も知らず、天涯孤独に生きてきた男イ・ガンド。債務者に重傷を負わせ、その保険金で、利子が10倍に膨らんだ借金を返済させる、血も涙もない借金取立て屋である。
そんなガンドの前に、ある日、ガンドを捨てた母だと名乗る謎の女が現れる。「母親の証拠を出せ」と詰め寄るガンドの、残酷な仕打ちに耐え、彼から離れようとしないミソン。捨てたことをしきりに謝罪し、無償の愛を注いでくれるミソンを、ガンドは徐々に母親として受け入れていく。そしていつしかミソンは、ガンドにとってかけがえのない存在となっていた。
ガンドが取り立て屋から足を洗おうとした矢先、ミソンが突如姿を消す。母の身を案じるガンドに一本の電話がかかってくる。母の悲鳴と激しい物音。自分が借金を取り立てた債務者の誰かに、母は連れ去られたのだと確信したガンドは、債務者の家を回っていくのだが…。
2012年のヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞。