人間万事塞翁が犬
不吉な伝説を背負う犬がいた。額にT 字の毛並みを持つこの犬は、犬のくせに、なぜか三国志演義の馬、的盧(てきろ)のDNA を受け継いだらしい。この犬を飼い始めて49 日目、飼い主には必ず不幸が訪れるのだ。まじめに生きているだけなのに何をやってもうまくいかず、うだつの上がらない青年アドウは、草食系なので同僚の看護師からは受けがいいが、一番気になっている美人女医のライには名前すら覚えてもらえない。 的盧犬は最後、巡り巡ってアドウのもとへやってくる。不運な男に、不幸の犬。思いを寄せる美人女医との間には、祖先の深い因縁がある。人間万事塞翁が犬、違った…人間万事塞翁が馬。何が幸運となり、何が不幸を招くのかなんて、人生結局、最後までわからない。どうなる、アドウ?