海底犯罪No.1
(C)KADOKAWA 1964
かつて毎朝新聞の敏腕記者であった二宮二郎は、今は一匹狼のトップ屋であった。その頃、経済界では悪名高いアプレ実業家丸橋の持船長江丸の沈没をめぐって、経済界は沸いていた。猪関が主宰する「政界トピックス」は、保険金めあての自沈だと報道したが、二宮はその事件の真相を糾明するよう、週刊近代より依頼された。だが時の渦中で、丸橋は保険金の権利放棄を声明した。二宮はふとしたことから知りあった、猪関の義妹すみれとベッドを伴にしながら、猪関の轢死を聞いた。早速猪関の家を訪れた二宮は、写真屋の届けた一枚の写真に、猪関が丸橋と二号の夕子、ホステス風のかおるという女と一緒に写っているのをみて愕然とした。猪関と丸橋はぐるだったのだ。