けの汁
(C)つがる市フィルムコミッション/ザフール
つがる市では毎年お盆の時期に馬市まつりが行われ、夏の終わりをつげる。
変わらぬ日常、変わらぬ時間を過ごす修市にとって、馬市まつりに妻の花枝が変わらぬ姿で還ってくるのもいつもの出来事。高校時代に修市は、東京から津軽へ転校してきた修一は花枝に出会い、後に結婚する。しかし、花枝は愛娘、千恵を出産し、この世を去った。都会生まれの修市にとって、花枝が残した家と愛娘だけが、津軽をつなげる。それから28年。花枝が残した千恵も、今では東京暮らし。今年も馬市まつりがやってくる。今年は娘が結婚相手を連れてくる。愛した妻、花枝は、もうこの世にはいない。妻が残したかった思いは、故郷に残したまま・・・。母親を知らない千恵。修市は母親である、妻の花枝の代わりに「けの汁」で思いをつなぐ。