クレイマー、クレイマー

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【STORY】
結婚から8年目。仕事重視で家庭を顧みない会社員テッドに妻のジョアンナは愛想を尽かし、「誰かの娘や妻でない自分自身を見つけたい。」と言い残し、家を出てしまう。突然の出来事にテッドは動揺しながらも、7歳の息子ビリーのために食事をつくり、学校への送り迎えもこなすことに。最初はぎくしゃくしていた父と子であったが、次第に理解しあっていくのであった。ところがそんなある日、ビリーがジャングルジムから転落して怪我を負ってしまう。さらにテッドは失業。追い討ちをかけるようにジョアンナがビリーの養育権を主張してくる……。

【COMMENT】
1970年代になると、アメリカでは社会問題をテーマにした映画が増えてきます。
老人問題を扱った『ハリーとトント』、女性の自立とシングルマザーを題材にした『アリスの恋』、そして本作では離婚と子供の養育権にスポットを当てています。いずれも、当時のアメリカの社会問題を取り上げながらも決して重くなりすぎず、家族愛の在り方を描くハートフルな人情ドラマに仕上げています。
そして、いずれの作品でも、主演の男女優がアカデミー賞を獲得しています。今でこそ日本でも一般的な社会問題ですが、当時は映画としての前例もなく、監督・脚本だけでなく、役者の力量も必要だったのかもしれません。

本作の舞台はマンハッタン、ダスティン・ホフマン演じるテッド・クレイマーは、広告会社でクリエイティブと営業をこなすビジネスマンです。副社長からは重役になることを約束され、意気揚々と自宅に帰ります。が、帰宅した途端、妻のジョアンナ(メリル・ストリープ)から別れ話を切り出されます。「誰かの娘や妻でない自分自身を見つけたい。」との一言で、ジョアンナはあっさりと家を出て行ってしまいます。
テッドは途方に暮れつつも、次の日から仕事と家事をこなしていかなければなりません。食事の用意、息子の送り迎え、買い物…始めはすべてダメダメですが、徐々に慣れていき息子への愛情も高まっていきます。いつの間にか、息子を育てていくのが楽しくて仕方なくなっているんですね。
ある日、ビリーがジャングルジムから転倒して頭に怪我をします。焦ったテッドは、ビリーを抱えて走って病院に向かいます。このシーン、ダスティン・ホフマンが子供を抱え全速力で走っています。そこそこ長いシーンで、子供への愛情が伝わる感動の場面です。
一方、仕事での付き合いも悪くなり、なんとテッドは会社を首になります。そして、この最悪なタイミングで、1年半ぶりに現れた妻のジョアンナが息子ビリーを返してほしいと養育権を主張してきます。原題は「Kramer vs. Kramer」、ここから父クレイ―マーと母クレーマーのビリーの養育権をめぐる法廷での争いが始まります。

ダスティン・ホフマンが本作の約10年前に出演した映画、役柄が全く違いますね。
◇『真夜中のカーボーイ

メリル・ストリープはアカデミー賞ノミネートの常連です。この映画も助演女優賞にノミネートされていました。
◇『ディア・ハンター

メリル・ストリープ、シリアスな演技からミュージカル、コメディ…なんでもこなしますね。
◇『マンマ・ミーア ヒア・ウィー・ゴー

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