星は何でも知っている
(C)1958 日活
天才少女作家・嵯峨栞は不幸だった。美しい髪形、つぶらな瞳、彼女の美しいスタイルは、みんなマネージャー藤田の指図によるもので、彼女の自由になるものは何一つなかった。ある日のこと、栞は藤田の目をごまかし、平凡な少女に変装して街に出た。金を持たずに出てきたので、タクシー代が払えずに困っていると、見知らぬ男五郎が現れて、タクシー代を払ってくれた。栞は嫌がる五郎の後について、盛り場を遊び歩いた。それは天才少女ではなく、あどけない少女の姿だった。ジャズ喫茶でロカビリー歌手の平戸昌彦に会った。彼は彼女の幼馴染だった。そこに入って来たのは、五郎の勤める「週刊スクープ」のカメラマン富本だった。あとで、五郎は富本から彼女が嵯峨栞だときいて、地だんだ踏んでくやしがった。