青い鳥
(C)2008「青い鳥」製作委員会
新学期が始まった東ケ丘中学校。一見平穏な登校風景だが、前の学期に一人の男子が自殺未遂を起こし、学校は大きく揺れていた。家がコンビニを経営する野口は、何人もの生徒から店の品物を要求され、彼らに渡していた。それに耐えられず、彼の遺書には3人の名前が書かれていた。マスコミは騒ぎ、学校は生徒指導の強化で事態を乗り切ろうとしていた。野口は転校し、店は閉めてしまった。そして、担任の先生は休職した。新学期。村内という臨時教師が着任してきた。彼は極度の吃音だった。村内先生は、野口の机を元に戻すよう命じ、誰もいない野口の机に向かって「野口君、おはよう」と言う。一刻も早く事件を忘れさせようとする、他の教師たちは反発するのだった。村内先生は、毎朝「野口くん、おはよう」と声をかける。それは、教師や保護者たちの間にも波紋を広げる。だが、村内先生はやめようとしなかった。そんな中、男子生徒の園部は、野口が自分に助けを求めていたかも知れないと村内先生に話す。村内先生は、吃音をふり絞るように静かに語り始めるのだった。そして、村内先生が学校を去る日、園部や生徒たちに残していったものとは。