父子草
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ガード下におでん屋を出している竹子は、初老に近い土工風の男平井義太郎の、どこか淋し気でいて、鼻ッぱしらの強い、気ップのよさに興味を持っていた。或る日、常連の若い客、西村茂と義太郎は、些細なことから喧嘩になったが、若い西村に敵うはずはなかった。それから、毎晩、西村に相撲で挑戦する義太郎だったが、それというのも、波がシベリヤで捕虜生活を終え、故郷に帰還したのだが、彼がすでに戦死してしまっていると思った彼の妻は、弟と再婚してしまっていた。