浮世絵残酷物語

浮世絵師長春は老中堀田相模守から、枕絵の依頼を受けた。輿入れ近い堀田の娘香織姫が、結婚を嫌っていたため、長春の名画を見せて気を変えようというのだった。長春は矢場女のお喜多をモデルに描いたものの、長春のイメージにはどうしても合わなかった。自然らしさ、品格というものが、どうしても絵に現われないのだ。思いあまった長春は娘のお京を呼んだ。だが、男を知らぬお京の身体には歓びの表情がない。長春はお京が秘かに想いを寄せている一笑に、自分の娘を抱かせようとしたが、一笑は吉原の紫山との逢瀬で留守だった。そこで長春は別の弟子勝重にお京を抱かせ、その様を写生したのだ。

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