五月の恋

アレイは台湾に住む19才の大学生。彼の兄は、超人気バンド、”メイデイのギタリスト、シートウである。レイは兄に対する劣等感から、中途半端で惰性的な日々を送っていた。ある日、”メイデイ”のファンからのメール管理しているうちに、中国のハルビンで京劇団員の学生をしている少女、シュアンとメールを交すようになる。そのメールの中で彼は、自分を”メイデイ”のボーカリストのアシンだと嘘をついてしまった。シュアンは、台湾の三義にある「五月の雪」と言われる花を見に連れていって欲しいと頼み、彼は約束をしてしまった。シュアンも自分は、大陸にいるということを黙っていたのだ。やがて、二人は会いお互いの真実を打ち明けた。そして徐々にその距離を縮め、不器用ながらもお互いに惹かれあっていったのである。しかし、京劇の台湾公演で来ていたシアンはハルビンに帰る日が迫っていた。素直になれないアレイはシュアンに「もう二度と会わない」と心にもないことを言ってしまう。シュアンが台北を去ったあと、そこには前向きに毎日を過ごすアレイの姿があった。アレイはシュアンのことを想い続け、何度もシュアンにメールをするが返事はこなかった。再び三義に行ったアレイは、「五月の雪」にまつわる彼女の秘密を知るのだった。