ラストデイズ

森の中ひっそりと建つ廃屋のような屋敷に辿り着いたブレイクは、閑散としたキッチンで朝食を用意する。煙草に火を付け、ふと冷蔵庫を見ると“銃は寝室のクローゼットの中に”というメモがある。ブレイクは小さく”Thank you”と呟いた。朝食の入った皿を手にゆっくりと２階の寝室へ上がったが、疲れきった彼はせっかく用意した朝食にも手をつけずにベッドに倒れ込む。しかしすぐ、何かに気づいたかのように起き上がり、クローゼットから黒いスリップドレスと猟銃を見つけ出す。ドレスを着て、髪を梳かし、化粧をしていると、電話が鳴った。「おまえも望んだツアーだ。穴をあけるな。キャンセルは許されない。」と一方的にまくし立てるスタッフからだったが、ブレイクは何も言わずに電話を切った。一人になったブレイクは、再び猟銃を手にして奥の部屋へ入った。その部屋は朝の美しい光に満ちていて、彼を優しく包み込んだ。光の中、ブレイクの意識はゆっくりと遠のいていった。ブレイクを探して１階に降りたアーシアがその部屋の扉を開けると、ブレイクが倒れこんできた。生きていることを確認すると、元のとおりに座らせ扉を閉めて何も見なかったことにした。意識を取り戻したブレイクはその隙に部屋を出て温室にいた。森の中にひっそりと建っている屋敷で、彼は大音響でドラムを、そしてギターを演奏する。窓の外では木々が静かに揺れていた。夜、ブレイクがキッチンでチーズ・マカロニを作って食べていると、遊び疲れたルークたちが帰ってきた。上機嫌のスコットはリビングでヴェルベット・アンダーグランドの”毛皮のヴィーナス“をかけ、ルークとニコールは曲に合わせて踊る。その夜ルークはブレイクに音楽の相談をし、スコットはお金を無心した。みんなが寝静まり、ひとりになったブレイクは“Death to Birth”を演奏する。それは、彼の魂の叫びだった。その後ライブハウスへ出掛け、明け方帰宅したブレイクは、まっすぐ温室へ向かう。翌朝、温室にブレイクが倒れていた。家を出たルークたちは、ニュースでブレイクの死を知った。