イーオン・フラックス

2011年、品種改良による麦から発生したウィルスにより、人類の99％が死滅したが、科学者トレバー･グッドチャイルドが開発したワクチンにより、人類滅亡の危機は回避することができた。それ以降、生き残った500万人の人類は、汚染された下界と壁で隔てられた都市ブレーニャに住み、病気も、飢えも戦争もない完璧な生活を送っているはずだった。君主である救世主の子孫トレバー8世のもと、トレバーの弟オーレンと、科学者たちのメンバーで構成された政府は、秩序の維持を理由に圧制を強めていた。イーオン･フラックスは、その政府が虚偽を隠し持っていると疑う反政府組織モニカンの戦士である。冷静沈着なイーオンには、彼女とは性格の全くことなる生気に満ちあふれる妹ユーナがいた。幸せな結婚をしたばかりのユーナが、モニカンの分子と誤って抹殺されたことから、イーオンは政府に対する復讐を誓うのだった。モニカンの司令塔ハンドラーから君主トレバー暗殺の司令が下る。モニカンのリーダーは、改造人間シサンドラを援軍につけ、イーオンを政府の中枢である要塞に送り込む。彼女はトレバーの講堂へと行ったが、脳裏に覚えのない彼と過ごした記憶が浮かび、イーオンは混乱する。そしてカプセルを与えられ、トレバーを殺せないまま意識を失うのだった。