ベルンの奇蹟

父は第二次世界大戦でソ連軍に捕らえられ、その消息は分からない。母のクリスタ・ルバンスキーは居酒屋を営んでいる。娘のイングリットは店を手伝ってくれるが、11歳のマティアスはサッカーばかりに明け暮れている。そんなある日、父のリヒャルトがソ連から送還されてきた。そして、彼はかつて就いていた炭鉱の仕事に戻った。厳格なドイツの規律のある家庭を好む厳しい父親である。リヒャルトはマティアスのサッカーへの興味を認めないでいた。父親の居ない間、サッカー選手ヘルムート・ラーンに父の面影を見出していたマティアス。ラーン選手からもらったかばんが唯一の宝物であった。父リヒャルトは、戦後のドイツで発展してきた新しい価値観に完璧に打ちひしがれ、帰還後、家族とも距離を置くのだった。母クリスタは家族間の軋轢に悩まされながらも、辛抱強く夫との関係を修復していく。リヒャルトにとって、サッカーは興味が無かったが、息子マティアスはドイツ・チームのメンバーに選ばれた彼の憧れの人、ヘルムート・ラーンとともにそこに行くことを切望している。その情熱とファイティング・スピリットで、マティアスは父の心のなかに人生への愛情を再びかきたてるのであった。
公開日
2005年4月16日(土)
監督
ゼーンケ・ヴォルトマン
脚本
ゼーンケ・ヴォルトマン
撮影
トム・フェーアマン
音楽
マルセル・バルゾッティ
出演
ルーイ・クラムロート ペーター・ローマイヤー ヨハンナ・ガストドロフ ビルテ・ヴォルター ミルコ・ラング サーシャ・ゲーペル ルーカス・グレゴロヴィチ カタリーナ・ヴァッカーナーゲル ペーター・フランケ ジーモン・ファーフーフェン
製作年
2003
製作国
原題
THE MIRACLE OF BERN
上映時間
118
INTRODUCTION
1954年7月4日、サッカーWカップでドイツが歴史的な勝利をした。それは、敗戦国に生きる人々に勇気を与えてくれ、“ベルンの奇蹟”として神話となっている。本作は、ワールドカップサッカーを通して父と子の絆の再生を描くファンタジック・ストーリーだ。2004年ロカルノ映画祭観客賞受賞。ドイツ興収3週連続第1位、360万人を動員。ロカルノ映画祭で6000人が熱狂し、観客賞受賞した。監督・製作・脚本はゼーンケ・ヴォルトマン。元ブンデス・リーガのサッカー選手である。出演は、父親役にベテランのペーター・ローマイヤー。その息子役にはペーター・ローマイヤーの実の息子ルーイ・クラムロートが演じ、本作のみごとな演技で各賞を総なめした。また母親にはヨハンナ・ガストドルフ、兄にはミルコ・ラング、姉はビルテ・ヴォルター。音楽はマルセル・バルゾッティが担当。交響楽的な楽曲を提供している。プロダクション・デザインは、『ヘヴン』『es[エス]』のウーリ・ハーニッシュ。そして、adidas創始者アディ・ダスラー、伝説的FWヘルムート・ラーン、スポーツ実況アナの元祖ツィンマーマンなど、歴史的なヒーローが多数登場するのも見どころである。
STORY
父は第二次世界大戦でソ連軍に捕らえられ、その消息は分からない。母のクリスタ・ルバンスキーは居酒屋を営んでいる。娘のイングリットは店を手伝ってくれるが、11歳のマティアスはサッカーばかりに明け暮れている。そんなある日、父のリヒャルトがソ連から送還されてきた。そして、彼はかつて就いていた炭鉱の仕事に戻った。厳格なドイツの規律のある家庭を好む厳しい父親である。リヒャルトはマティアスのサッカーへの興味を認めないでいた。父親の居ない間、サッカー選手ヘルムート・ラーンに父の面影を見出していたマティアス。ラーン選手からもらったかばんが唯一の宝物であった。父リヒャルトは、戦後のドイツで発展してきた新しい価値観に完璧に打ちひしがれ、帰還後、家族とも距離を置くのだった。母クリスタは家族間の軋轢に悩まされながらも、辛抱強く夫との関係を修復していく。リヒャルトにとって、サッカーは興味が無かったが、息子マティアスはドイツ・チームのメンバーに選ばれた彼の憧れの人、ヘルムート・ラーンとともにそこに行くことを切望している。その情熱とファイティング・スピリットで、マティアスは父の心のなかに人生への愛情を再びかきたてるのであった。
CASTING
●ルーイ・クラムロート 1989年10月28日生まれ。俳優ペーター・ローマイヤーの息子。2003年『DER MISTKERL』にレオン役として映画デビュー。本作で多数の新人賞を受賞。本作が映画出演第2作目となる ●ペーター・ローマイヤー 1962年生まれ。98年『ZUGVOGEL』でドイツ映画賞最優秀助演男優賞を、00年には、『DER ELEFANT INMEINEM BETT』でバヴァリア映画賞を受賞した。主な出演作は、『KLEINES TROPIKANA』、『DER CUBA COUP』『THE BLEATING OF THE SHEEP』など。 ●ヨハンナ・ガストドルフ ハノーヴァーの国立劇場の舞台『こわれ甕』、『真夏の夜の夢』に出演。バイエルン国立劇場では『じゃじゃ馬ならし』に出演している。 ●カタリーナ・ヴァッカーナーゲル 1978年生まれ。フライブルク出身。テレビドラマ『TANJA』で10代の少女役で注目される。98年にテレビ・シリーズの最優秀女優賞(金獅子賞)を受賞。『PLANTZE IN STADTEN』ほか数多くのドイツのテレビ作品に出演している。 ●ペーター・フランケ 1941年生まれ。ヴロツワフ出身。舞台、映画の両方で30年活躍してきた。主な作品は、『カタリーナ・ブルームの失われた名誉』(75)、『GIGANTIC ギガンティック』(99)など。

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