恋文日和
(C)2004ジョージ朝倉/講談社・「恋文日和」製作委員会
手紙をめぐる4つのピュアなLOVEストーリー。
●『あたしをしらないキミへ』
文子は授業をサボって、立ち入り禁止の校舎の屋上にひとりたたずむ。すると風に吹かれて一通の手紙が舞い落ちてきた。宛名は「片瀬理乃様」。差出人は、同級生の増村保志だった。彼は全身にタトゥーを入れて、不良生徒として恐れられているが、理乃に一目惚れして、その想いを手紙にしていたのだ。文子は、思わず返事を書いてしまう。差出人を書かないままの手紙を、文子は増村の下駄箱に入れた。名前を明かさない文子と増村、二人の文通が始まるのだった。
●『雪に咲く花』
同級生の宮下千雪が書いたらしい遺書を神代陽司が受け取った。この雪深い田舎町で、悪い噂が千雪にはつきまとっていた。それでも澄んだ彼女の瞳は、何かを語りかけるかのように陽司を見つめていた。
●『イカルスの恋人たち』
兄の康一の葬儀を終え、遺品を整理していた健二。ビデオカメラとテープ、そして遺言状が見つかった。「このビデオテープを恋人に渡してくれ」。恋人とは、中国エステに勤める玉音〈ユーイン〉という女性だった。そのお店に健二が訪ねた。玉音は「康一、旅に行ってるよ。帰ってきたら、ずっとそばにいると約束したよ」と語る。そこには、健二の知らない康一のもう一つの顔があった。
●『便せん日和』
便せん専門店「てがみ屋」で働く永野美子が憧れている相手は、主任の鈴森一成だった。美子の部屋は、鈴森のスナップ写真などで飾り立てられて、引き出しには出せないままのラブレターがあふれている。一方、鈴森決まって金曜日に店に現れてる客の杉原万里子に片思いをしていたのだ。便せんを買って去る万里子を見送る鈴森に、美子は「手紙を書いたらどうですか?」と提案する。