イザベル・アジャーニの惑い
大学を卒業したアドルフは、ある小さな町へ赴いた。大臣をしていた彼の父は、彼をヨーロッパ各地を遊歴させ、その後は自分の元に呼び寄せ、後継ぎにしたいと思っていた。アドルフはその町で、伯爵と知り合った。彼は、ポーランド生まれの美しい婦人エレノールを家に囲い、2人子供もいる。若いアドルフは、エレノールをひとめ見て恋に落ちた。彼女のことが頭から離れないアドルフは、手紙で気持ちを伝えることにした。手紙を読んだエレノールは、家を飛び出したアドルフを追い、伯爵のご帰還まで来ないようにと伝える。そして、アドルフを残し、彼女は田舎へ休養に出かける。 ふたりが再会できたのはそれから1か月ほどたってからのことだった。アドルフは幾度となくエレノールの元を訪れ、「あなたに会えないのなら、故郷も父も捨て外国で朽ち果てます。会わねば生きていけない」と想いのたけを伝える。エレノールは彼の言葉に動かされ、2人は恋に落ちる。伯爵が急用で6週間ばかり家をあけている間、アドルフは毎日のようにエレノールのところに入り浸っていた。エレノールの彼に対する愛情は日に日に募っていった。帰宅した伯爵は、2人の仲を疑いはじめた。そんな時アドルフの元に父から帰ってくるようにという手紙がきた。
- 公開日
- 2004年7月3日(土)
- 監督
- ブノワ・ジャコ
- 撮影
- ブノワ・ドゥローム
- 製作年
- 2002
- 製作国
- 仏
- 原題
- ADOLPHE
- 上映時間
- 102
- INTRODUCTION
- フランスとポーランド、魅惑の二都市を舞台に、みずみずしい映像美で綴られる運命の恋。本作は、フランスを代表する女優イザベル・アジャーニが、近代フランス心理小説史上の最高傑作言われる「アドルフ」(コンスタン著)を自ら企画し主演した超話題作である。フランスでは、圧倒的な女性の共感を得て、大ヒットを記録した。アジャーニの相手役に抜擢されたのは、『ドライクリーニング』で一躍脚光を浴びた20歳年下の美形俳優スタニスラフ・メラール。濃厚なラブシーンと、ふたりの実生活でのロマンスも話題となっている。その他の出演は『ボーマルシェ』のジャン・ヤンヌ、『猫が行方不明』のロマン・ドゥリス、『黒衣の花嫁』のジャン・ルイ・リシャール。監督・脚本は、マルグリット・デュラスの助監督出身、その後『トスカ』『肉体の学校』を監督したブノワ・ジャコ。撮影は『青いパパイヤの香り』『ひかりのまち』の新鋭ブノワ・デロームが担当している。
- STORY
- 大学を卒業したアドルフは、ある小さな町へ赴いた。大臣をしていた彼の父は、彼をヨーロッパ各地を遊歴させ、その後は自分の元に呼び寄せ、後継ぎにしたいと思っていた。アドルフはその町で、伯爵と知り合った。彼は、ポーランド生まれの美しい婦人エレノールを家に囲い、2人子供もいる。若いアドルフは、エレノールをひとめ見て恋に落ちた。彼女のことが頭から離れないアドルフは、手紙で気持ちを伝えることにした。手紙を読んだエレノールは、家を飛び出したアドルフを追い、伯爵のご帰還まで来ないようにと伝える。そして、アドルフを残し、彼女は田舎へ休養に出かける。 ふたりが再会できたのはそれから1か月ほどたってからのことだった。アドルフは幾度となくエレノールの元を訪れ、「あなたに会えないのなら、故郷も父も捨て外国で朽ち果てます。会わねば生きていけない」と想いのたけを伝える。エレノールは彼の言葉に動かされ、2人は恋に落ちる。伯爵が急用で6週間ばかり家をあけている間、アドルフは毎日のようにエレノールのところに入り浸っていた。エレノールの彼に対する愛情は日に日に募っていった。帰宅した伯爵は、2人の仲を疑いはじめた。そんな時アドルフの元に父から帰ってくるようにという手紙がきた。
- CASTING
- ●イザベル・アジャーニ 1955年6月27日生まれ。フランス出身。69年、「Le Petit Bougnat」で映画デビュー。「アデルの恋の物語」に出演し、アカデミー賞にノミネート。「ポゼッション」でカンヌとセザール賞の主演女優賞を獲得。84年アルバム「雨あがりの恋人」を発表。主な出演作は「夏の日のフォスティーヌ 」(71)、「炎のごとく」(82)、「可愛いだけじゃダメかしら」(93)、「王妃マルゴ 」(94)など。 ●スタニスラス・メラール 1974年生まれ。パリ出身。23歳の時、「ドライ・クリーニング」(97)で映画デビュー。同作でセザール賞有望若手男優賞を受賞し一躍脚光を浴びる。主な出演作は、「フリア 」(99)、「クレーヴの奥方」(99)など。 ●ジャン・ヤンヌ 1933年生まれ。パリ出身。64年「La vie a l'Envers」でデビュー。72年「Nous ne veillirons pas ensemble」でカンヌ映画祭主演男優賞を受賞。監督やプロデューサー、脚本家の才能も発揮した。03年5月23日死去。主な出演作は「ウイークエンド」(67)、「ボヴァリ-夫人 」(91)、「インドシナ」(92)、「プロヴァンスの恋」(95)、「ヴィクトリー/遥なる大地」(95)、「ジェヴォーダンの獣」(01)など。 ●ロマン・デュリス 1974年生まれ。94年、クラピッシュ監督にスカウトされて、「青春シンドローム」で主演デビュー。主な出演作は「猫が行方不明」(96)、「ドーベルマン」(97)、「パリの確率」(99)、「リトル・トム」(01)など。 ●ジャン=ルイ・リシャール 俳優のほか、監督、脚本家としても活躍。フランソワ・トリュフォーと組んだ作品は高く評価されている。主な出演作は「終電車」(81)、「ジャンヌ 薔薇の十字架」(94)、監督・脚本は「レディ・ドール」(86)、「柔らかい肌」(64)、「華氏451」(66)、「エマニエル夫人」(74)など。