最後の恋、初めての恋
(C)2003『最後の恋、初めての恋』FILM PARTNERS
日本の自動車メーカー、イムラ自動車の東京本社から上海支社に転任してきた早瀬高志。彼には、辛い過去があった。婚約者が早瀬の親友の滝本司の車に同乗中に事故死したのだ。愛と友情に同時に裏切られた早瀬の心の傷は癒されぬまま半年が過ぎた。歓迎会の席でもほとんど口をきかない早瀬。
会社が用意した五つ星ホテルにたどり着いた早瀬は、かなり酔っていた。心配そうに様子をうかがうフロント係のファン・ミン。部屋に入り、酒と一緒に無造作に睡眠薬を飲み下す早瀬が床に倒れた時、ちょうどドアの外にミンが立っていた。早瀬がロビーに忘れたコートを届けにきたのだ。異変に気付いたミンは迅速に対処、救急車で運ばれていく早瀬は薄らぐ意識の中で誰にも知らせないでほしいとミンに頼むのだった。ミンが荷造りしてくれたバッグを開けると、睡眠薬の小瓶に「身体に気をつけて」という手紙が添えてあった。それが二人の出会いだった。ミンは、仕立て屋を営む父シャンフー、妹のリンと一緒に暮らしている。ミンは病気のため、長く生きられないことを知っていた。そして、妹リンにはそのことを隠しているのだった。ミンとリンそして、早瀬、それぞれの運命がスタートするのだった。