耳に残るは君の歌声

第二次世界大戦直前、ロシアに住むユダヤ人一家にもナチの迫害の手が迫ろうとしていた。 これまでの生活に見切りをつけた父はアメリカに渡る。ゆくゆくは家族を呼び寄せるから、それまで待つようにと言い聞かせて。 しかしナチの追及はいよいよ厳しく、残された娘も父を尋ねてアメリカ行きを決意する。しかし、どこかで食い違った運命の歯車は、この娘に過酷な試練を与えようとしていた。娘の乗った船はなぜかイギリスに着いてしまう。幼い頃、耳元で子守唄を歌ってくれた父を尋ねてその歌声の記憶を唯一の手がかりに、娘の厳しく波乱に満ちた旅が始まろうとしていた。ロンドン、パリ、そしてニューヨークへ。娘の前には様々な人たちが現れては消えてゆく。その中で娘は成長し、自分をしっかりと見つめることのできる自我を育てていく。

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