スペイン一家監禁事件

バットマン、スパイダーマン、スポーン…アメリカ人気コミックの最新映画化作。 今回のヒーローはミュータント、つまり超能力者。それほど遠くない未来、ミュータントたちは一種の奇形とみなされ人間社会から疎外されていた。それによって、人間を憎しみの対象とみなすものと、人間と良好な関係を築こうとするものとの二派にわかれたミュータント同士の闘いが始る。 テレパシー、テレキネシス、変身、どんな傷でも即座に治る治癒力、さらには目から光線を発射したり、磁場を作り出したり、嵐や雷など天候を自在に操ったり、思いもよらない能力を持ったミュータントの闘いは、派手でにぎやかで、まさに奇想天外。例によって、ふんだんに使用されているCG，SFX，VFXは圧倒されるばかりの映像の驚異を楽しませてくれるし、善と悪との対決というシンプルな構図もわかりやすくていい。もっともその根底には、人種差別とか社会批判とかのメッセージがこめられていたりするのだろうが、この映画にはそんな理屈は邪魔でしかない。アメリカンコミックのカラッとしたスピリッツを思い切り吸い込めばいい。子供の頃に夢見たような空想の世界を、思う存分飛び回ればいい。