太平洋ひとりぼっち
(C)1963 日活
1962年5月12日深夜、西宮港を小さなヨットで出航する青年がいた。22才堀江謙一、たった一人で太平洋を横断する挑戦だった。家族にも社会にも反対され一人で資金を貯め、死と隣り合わせの冒険に挑戦するのだ。ヨットは、“マーメイド号”と名づけられていた。長さ5.8メートル、幅2メートル、エンジンは無く風のみで走るように設計された船は、39時間も大阪湾内を浮きつづけたあげくやっと北風に乗り、大阪湾を乗りきることができた。凄まじい海の荒れが堀江を襲う。狐独との戦いは、人間の限界を越したものとなる。