刑務所を出たファイは雑多で陰鬱な街・深水埗(シャムスイポー)へ戻り、ラムじいが出所祝いくれたクスリをさっそくキメる。ホームレス仲間の皿洗いのチャン、ヤク中のダイセン、車椅子のランたちと再会し、ファイはまた高架下で暮らしはじめる。ある晩、事前通告なしにやってきた食物環境衛生署によって、ファイたちは家も身分証明書も何もかも失ってしまう。
新人ソーシャルワーカーのホーは彼らのために裁判を起こし、政府に賠償と謝罪を求める。ホーはベトナム難民であるラムじいの家族探しを手伝い、ファイの健康を心配し通院を勧め、彼らをできる限りサポートしていく。
ファイはハーモニカを吹く失語症の青年に出会い、「モク」という名前を与える。ファイはモクと新しい小屋を建て、心を通わせていく。建設中のマンションに忍び込み見下ろした夜の深水埗の街には、人々の生活の息吹が感じられるまばゆい光の海が広がっていた。ファイはモクに静かに語りかける。
「深水埗は貧乏人が住む町だ。高級マンションを建てて、貧乏人はどこへ行く? 」
政府から賠償金として2000香港ドルずつ受け取れることになり、よろこぶダイセンたち。ただファイだけが謝罪なしの賠償金は受け入れないと拒絶し、彼らは散り散りになってしまう。ひとり高架下に残ったファイ。賠償も謝罪もないまま、彼らは冬を越せるのだろうか…。
■公式サイト
香港の流れ者たち
(C)mm2 Studios Hong Kong
2023年12月16日(土)公開