ランドスケープ・スーサイド
ベニングが描いた“風景の犯罪”。二つのセンセーショナルな犯罪が描かれる。カリフォルニアで15歳の少女がクラスメートを刺殺した事件。もう一つは有名なウィスコンシン州で起きた農夫エド・ゲインが3年間で15人を殺害した連続殺人事件(トビー・フーパー監督の『悪魔のいけにえ』やアルフレッド・ヒッチコック監督の『サイコ』のモデルとなった)。『8 1/2×11』(1974)、『11×14』(1977)、『One Way Boogie Woogie』(1977)などで追求した映画の物語性と、風景を通してドキュメンタリー的に目撃される“アメリカの夢”の暗部が結びつく。