写真家・瀬戸正人の自伝エッセイ『トオイと正人』を写真家・小林紀晴が監督として映画化したドキュメンタリー。
タイの東北で生まれ、タイ語しか喋れなかった少年トオイ。8歳になったある日、残留日本兵だったと父と共に福島へ。四季のある国でトオイは正人となり、日本人として生きてゆくことになった。初めて、春と冬を体験した。一年後、気がつけば、タイ語を喋ることができなくなっていた。口をつくのは東北なまりの日本語だけだった。正人は、言葉を「忘れていたのではなく、仕舞い込まれていただけ」だと言う。ふと、60歳を過ぎた正人のなかに、8歳のままの少年トオイがいまも眠りについている気がした。だから、正人と共に私はトオイを探しに、福島へ、タイへ、ラオスへ、さらにメコン川と阿武隈川を遡る記憶の旅に出た。
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トオイと正人
2023年3月25日(土)公開