鳥取県智頭町にある新田サドベリースクール。授業は行われておらず、子どもたちは朝からゲームや屋根登りに夢中だ。子どもの “やりたい”を一番に尊重するこの学び舎では、ルール作りから全体運営まですべて子どもたちが携わり、自分で考え判断し、解決する力を身につけていけるよう運営されている。学年分けもなく、サポート役の大人も「先生」ではなく、子どもたちによって選ばれる「スタッフ」と呼び、「今日1日、何をするのかしないのか」すべて子ども自身が決めていく。
…だけど、自由とは何だろう?最初は楽しかったけれど、何もしなければただ退屈な時間だけが過ぎていく。
子どもとスクールを信じつつも、時に一抹の不安は拭えない保護者たち。“黙って見守る”と“サポートする”の狭間で葛藤が絶えないスタッフたち。それでも大人は子どもたちの背中をそっと後押しする。「なんでもやってみたらいいんよ」「みんなで話し合ってみたら」
根気のいる米作り、初めての喫茶店運営、私立中学受験への挑戦、そして、それぞれの思いが交差するスタッフ選挙ー悪戦苦闘しながらもひとつひとつ取り組んでいく。
…案外、自由って難しい?
「勉強もせず遊んどるがな。大丈夫かいな」近隣住民からの訝しげな視線もなんのその。
豊かな自然の四季に囲まれて、歩き始めて間もない学校作りに奮闘する、大人と子どもの悲喜こもごもの一年を追いかけたドキュメンタリー。
■公式サイト
屋根の上に吹く風は
(C)SAKAE ASADA
2021年10月2日(土)公開