杏演じる主人公・千紗子が、事故で記憶を失った少年・拓未を自分の子どもとして匿う、深く激しい母性をとらえた映画『かくしごと』。より、羊文学が書き下ろした主題歌「tears」と本編映像がコラボしたスペシャル映像が解禁。
「あなたは私の子どもなの」という千紗子のセリフから始まる特別映像には、千紗子と拓未、孝蔵が出会い、疑似家族として生活していく様子が映されている。さらに、千紗子が拓未に記憶を失くした理由を語るシーンも収録。「あなたはね、悪い人たちにさらわれてたの。それで、記憶を失くしてしまった。でも、もうそのことは、忘れていいから」と、嘘を重ねる千紗子が拓未を抱きしめる表情に千紗子の葛藤が浮かぶ。千紗子と拓未が心を通わせるシーンが中心となっていた前半とは一変、後半では、拓未が千紗子の前から少しおびえたように去っていくシーンや、千紗子が決死の表情で海に向かって歩く様子など、緊迫感漂うシーンが続く。胸に秘めた思いが溢れ、涙をこぼす千紗子の表情には心を揺さぶられずにはいられない。さらに、映像には「tears」の歌詞が添えられ、「どうしてあんなに泣いたのかも」「長い噓から覚めた二人は」といった『かくしごと』のストーリーに呼応する美しい詞を堪能することができる。関根光才監督の前作『生きてるだけで、愛。』のファンだったという羊文学のメンバーが本作を想って作り上げた楽曲は、鑑賞後の観客の気持ちをやわらかく掬い上げてくれる。ぜひともその楽曲を劇場の音響でご堪能いただきたい。
■『かくしごと』×羊文学「tears」スペシャルコラボ映像
スペシャルコラボ映像の解禁に合わせて、羊文学よりコメント映像が到着。
主題歌のオファーが来たときの心境を「関根監督の『生きてるだけで、愛。』を観たことがあって、そのエンディングがすごく好きだったことを思いだして、丁寧に作ろうと思いました」と明かした。初めて本作を観た印象について、ボーカル・ギターの塩塚モエカは「ずっとはらはらしました。どういう風に終わっていくのか、救いはあるのかということをヒリヒリと感じながら観ました」と語る。ベース・コーラスの河西ゆりかは「一番最後のシーンがすごく印象的でした。その後に流れる自分たちの曲が、これまでの物語を振り返れるような余韻が残るような曲になったらいいなと思って、気持ちを込めて弾きました」と作品から受けた影響を明かした。
繊細なチェロの音色がひときわ引き立つ本楽曲だが、本楽曲で初めてメンバー以外の楽器を入れたという。「チェロが感情的な役割を果たしてくれました。溢れそうな気持ちみたいなものをチェロが表現してくれました」と音色の秘密を明かした。また、曲のタイトルについて、「涙がいっぱいぽろぽろ落ちるという意味で、『tears』にしました。映画の先の未来をエンドロールで(表現)できたらいいなと思い、“三人家族”がこれからこういう風に進んでいったらいいなとイメージしながら書いていきました。涙のあとの気持ちの曲にしようと思って、こういう(タイトルに)しました」とタイトルに込めた願いを語っている。
■『かくしごと』羊文学コメント映像
6月7日(金)TOHOシネマズ 日比谷、テアトル新宿他全国ロードショー