軍事クーデター以降圧政がつづくミャンマーで指名手配となり、潜伏生活をしながら今も闘い続けているミャンマー人監督コ・パウが自らを撮影したドキュメンタリー映画『夜明けへの道』。
公開を迎えるにあたり、ミャンマーのリアルな現状を切り取った本作には、久米宏、サヘル・ローズ、世界一危険なミャンマーの伝統格闘技「ラウェイ」チャンピオンでもありK-1選手の南雲大輝、クーデターを起こしたミャンマー国軍に拘束、のちに解放され帰国した久保田徹、ミャンマーにルーツをもち、アウンサンスーチー氏とも親交のあるデザイナーの渋谷ザニ―、そしてコ・パウ監督をよく知るミャンマーの映画人など様々な方からコメントが寄せられた。命がけで制作され、在日ミャンマー人たちの支援もあり遂に劇場公開となる本作を称え、応援するコメントには胸が熱くなる。
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≪応援コメント一覧≫
◆久米宏(フリーアナウンサー)
映画・テレビ・ネットの世界で売れっ子だったコ・パウ氏は 今やパルチザンの戦士になっている
インチキ ドロボー 殺人者 である軍事政権が一日も早く倒れることを心から祈ります
遠くない将来 ビルマは必ず民主化すると信じています
僕は ずっとビルマと言っています
◆久保田徹(ドキュメンタリー映像作家)
コ・パウ監督はいかなるときもユーモアを忘れない。その強さに胸を打たれながらも、彼の顔にいくつもの悲しみが刻まれていく様子から目を離すことができない。その悲しみはコ・パウ自身のものだけでなく、塹壕に身を潜める子どもたちのものであり、家を焼かれた女性のものであり、親しい友を失い銃を手に取った若者たちのものだった。コ・パウ監督は「撮ること」が暴力への抵抗になりうることを示してくれた。
◆南雲大輝(K-1選手/ミャンマーラウェイチャンピオン)
ミャンマー現地の緊迫感が生々しく伝わる作品でした。いつ何が起こってもおかしくない、死と隣り合わせであるという状況を力強く、諦めることなく生き抜く姿勢は、自分自身の生き方を改めて自問させられる凄みがありました。今こうしている間にも、時差2時間半のミャンマーでは、罪のない子どもたちや女性が理不尽に命を奪われています。
私自身、ミャンマーの伝統格闘技『ラウェイ』を通して、命のありがたみ、ミャンマーの人々の逞しさ、慈悲深さを噛み締めてきました。懐かしいミャンマー語での会話や人々の営みを観ながら、ミャンマーの方々はなんと愛らしく、強いことだろうと思わずにはいられませんでした。
悲しく、辛い中でも決して投げ出さず、ユーモアとアイデアによって前進していくコ・パウ監督の姿は戦士のようでした。生きている限り戦い続ける彼らに倣い、私も持てる全てを掘り起こし、命を輝かせて進みたいと強く思いました。
◆サヘル・ローズ(俳優、タレント)
ミャンマーで何が今もなお、起きているのか?
この瞬間にも市民の命が奪われ
声を上げる者は拘束されていく
誰も望んで難民になっていない
なぜ、犠牲になっていくのか
見殺しにしているものは何か
それは『無関心』
そう、ワタシたち
祖国とは?
人権とは?
自由とは?
当たり前なのない、現代社会
『真実』と出会う事も困難な中
今作に残された『声』こそが生きた証言
◆渋谷ザニ―(ファッションデザイナー)
世界の注目から年月の過ぎたコロナ禍で実施されたミャンマー軍事クーデター。多くを望まず日常の平和と人並みの暮らしを望む度に転落するミャンマー国民の姿は、映画冒頭7分から10分の間の3分間で健気に生きていただけの人々の動揺と苦悩から知る事ができる。アジア最大の戦場と化したミャンマーの密林で監督コ・パウが自らを記録したセルフドキュメンタリー。悪い事ならばどんな事でも起こり得る国土で、誇りも希望も捨てず只々家族と再会する事を夢見て生きる孤独な男の姿を記録した貴重な映像は全ての人々に正義の在り方を語りかける。
◆新畑克也(写真家)
「チッデー(愛してるよ)」と潜伏先でコ・パウ監督が我が子にスマホで声をかける様子に込み上げるものがあった。ミャンマー国軍は人間と思えない残酷な方法で市民の命を潰してゆく。2021年2月の軍事クーデター以降、いや、2017年にラカイン州北部で2万4000人以上のロヒンギャ住民が虐殺され隣国に100万人規模の難民キャンプが作られた当時から我々は残虐行為を目撃しているのに、なぜ悲劇の連鎖を止められないのか。コ・パウ氏の命懸けの発信を決して無駄にしてはいけない。
◆野中優那(Yangonかるたプロジェクト代表/国際基督教大学一年生)
2021年2月1日、クーデター後の緊迫した2ヶ月間を私はヤンゴンで過ごした。
あれから3年。繰り返し思い出そうとするのに、怒りも恐怖も日々薄れていく。
家や友人を失い夢を奪われ、武器を持ち戦うことを選んだ若者たち。ミャンマーが軍の支配から逃れ自由を手にする未来に、彼ら自身の姿はあるのか。大きな代償を払った人々を、決して置き去りにしてはならない。
『夜明けへの道』に救いはない。けれど、知るべき現実がある。
◆市原麻衣子(一橋大学大学院法学研究科教授)
ただ人間らしく生きたい、そのためだけに国軍に立ち向かうミャンマーの人々を描いたドキュメンタリー作品。命を懸けて戦う彼らのために、われわれは一体どのような支援を提供できているだろうか。彼らが命を繋いで国を取り戻すために、日本は何をすべきか。身につまされる作品です。
統治すべき対象の人々を殺害し続ける国軍に、統治などできるわけがありません。ロシアのウクライナ侵攻やイスラエルのガザ空爆についてこれだけ報道が行われるなか、本作品は、報じられるべきミャンマーに関する情報を提供する、非常に貴重な作品です。是非幅広い方々にご覧頂きたいです。
◆坂手洋二(劇作家/演出家)
この映画が、この監督が、ここに存在することじたいが、希望である。
ウクライナ、パレスチナだけでなく、理不尽な武力に蹂躙される人たちのため、私たちに何ができるのか。
インターネットやスマートフォンの時代になっても、生身の人間が抗うということの根源を、突きつけられる思いだ。
◆臼井勝(映画録音)
仲間への愛と自らの決意がしたためられた命懸けの手紙。
過酷な環境下では体裁よりも届けることが最重要なのだ。
2019年、僕はミャンマーで映画のスタッフをした。
そこで出会った仲間たちは本当に心優しい人たちばかり。
2021年3月、僕はFBに『友人のFBアカウントが無くなって、連絡が取れなくなった。
彼の最後の投稿写真は火炎瓶を手に、お手製の防弾チョッキを身につけた姿。無事を祈るしかない』と投稿していた。今も祈り続けている。
◆保芦宏亮(ミャンマーカレー活動家・株式会社 HIRO TOKYO 代表)
コパウ監督のセルフドキュメンタリー 映画 『夜明けへの道』ミャンマー軍から奪われた自由を取り戻す為の命を賭けた闘い、それに伴う覚悟と苦しみ、クーデター後のミャンマーで僕も見たヤンゴン市内の風景がオーバーラップし観ていて涙が止まらなかった。何故ミャンマーの人々は武器を手にし戦う道を選んだのか、平和な国日本に暮らす人々に理解して貰えるよう多くの人に観て貰いたい。僕もまた観たい。夜明けはもうすぐだ!!!ဆုံးဖြတ်ချက်!!!
◆バンニーオオタ(一般社団法人 ミャンマーグローバル支援財団)
このドキュメンタリー映画は、魅力的で感動的な旅を提供してくれました。これはただの映画鑑賞ではなく、安全なところで安心して暮らす皆様に見えない世の中の出来ごとを世界各地の方々の心に響く感動的な体験だと思っております。このドキュメンタリー映画を通じて、この苦しい状況をできるだけ多くの人々に知ってもらい、現地の状況を理解していただければと願っています。
◆ナンミャケーカイン(京都精華大学特任准教授/WART共同代表)
『いつだって、みんなと一緒にいるコ・パウ』
「ミャンマーは仏教国でありながら、なぜ内戦が起きているのか?」とよく聞かれます。その答えはこのドキュメンタリー映画『夜明けへの道』のコ・パウの世界で見つけられます。2021年2月1日のクーデター直後、つまようじ一つ持っていない国民が平和的に抵抗の意思を表明したことに対して軍は一方的に弾圧をしてきた様子が記録されています。さらに、村人たちは放火や爆弾を受けて家を無くし、子どもたちは防空壕で勉強していている姿を世界が目にしながら何も助けられないことに強い疑念をあらわにしています。この映画を視聴された一人一人の方々が世界の片隅「ミャンマー」で起きている人道的に反する理不尽な事柄に対して関心を持つようになってほしいと強く願っています。
「自分には何もできない」と諦めるのではなく、漏れている壺が目の前にあったらその目の前の穴をまず自分の指で塞ぎましょう。そして、周りに応援を呼び掛けてその他の水漏れ場所も修復しましょう。自分にできることから一歩踏み出して実際に行動しましょう。その一歩を『夜明けへの道』視聴から始めませんか?
◆メムテッウィン(『夜明けへの道』編集者)
『夜明けへの道』は圧政に抗う人民の蜂起に参加するという勇敢な選択をした、ミャンマーの芸術家であるコ・パウの生活を深く垣間見ることができる説得力のあるビデオ日記です。この重要な物語に貢献できたことを誇りに思います。
◆メイウィンマウン(ミャンマーアカデミー賞受賞者、女優)
コ・パウ監督の『夜明けへの道』をみて、コ・パウ氏と一緒になっているように感じます。人々の人生の目標や願望が打ち砕かれているのを見ると、悲しくて仕方ありません。私はずっと国民とともにいままで戦い続けてきたコ・パウ監督を心から尊敬し、愛しています。
◆ミンモゴン(歌手/『夜明けへの道』出演)
森の中だから完璧じゃないけれども、同じ家に住む仲間たちと一緒に努力したおかげで、心がひとつになりました。マイクがないため、レコーダーを使って録音しました。その思い出によって、当時、一緒に住んでいた監督のコ・パウさんと他の仲間たちに感謝の気持ちでいっぱいです。
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また公開初日4月27日(土)、2日目の28日には新宿K’s cinemaにてコ・パウ監督のオンライン舞台挨拶が決定。現在も解放区で活動を続けるコ・パウの貴重な姿とメッセージがリアルタイムで届けられる予定だ。
4月27日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開
現地の映画監督が命がけで撮影したセルフドキュメンタリー『夜明けへの道』映画公開を称える応援コメント到着!オンライン舞台挨拶決定!
©Thaw Win Kyar Phyu Production
4月24日(水)