大学在学中に制作した長編初監督作『僕はイエス様が嫌い』(2019)で、第66回サンセバスチャン国際映画祭の最優秀新人監督賞を史上最年少で受賞した奥山大史監督の商業映画デビュー作『ぼくのお日さま』。
30秒予告と場面写真の解禁と合わせて、タクヤ役とさくら役が発表となり、池松が《この世界の光の粒のような二人の才能に出会えました》と称賛する越山敬達(こしやま・けいたつ)と、中西希亜良(なかにし・きあら)の出演が明らかになった。
本作の主人公で、すこしばかり吃音をもつホッケーが苦手な少年のタクヤ役に大抜擢されたのは、本作が映画主演デビューとなる越山敬達。ドラマ『天狗の台所』(23)にメインキャストとして初出演し、アーティスト・演劇集団のEBiDAN(恵比寿学園男子部)の研究生「EBiDAN NEXT」としても活躍する、フレッシュな才能溢れる14歳。スケートは4歳から経験があったが、劇中で披露するアイスホッケーとアイスダンスは初めて挑戦したという越山。ホッケーはスケートと靴が違い、アイスダンスも音楽に合わせ多種の滑走を伴うが、もちまえの運動神経で、どちらも習得に必要とされる時間の半分以下の日数で習得した。
そして、フュギュアスケートを学ぶ少女・さくら役には、本作が演技デビューとなり、フランス語、英語も堪能のマルチリンガルでもある12歳の中西希亜良。演技は本作が初めてだが、4歳から現在までフィギュアスケートを習い、シングルの他に、アイスダンスでは全日本フィギュアスケートノービス選手権大会にも出場経験があるフィギュア上級者。本作出演のきっかけは、キャスト募集を知ったスケートのコーチからの勧めで応募し、100名以上が参加したオーディションを経てヒロインに大抜擢された。また、さくらの母親役として山田真歩、タクヤの友人役として潤浩(ゆんほ)が出演していることも明らかに。
今回、解禁となった30秒予告は、田舎町のスケートリンクでコーチの荒川が、タクヤとさくらに、ペアでアイスダンスを練習しようと提案するところからはじまる。吃音をもつホッケーが苦手な少年、選手の夢を諦めたスケートのコーチ、コーチに憧れるスケート少女。3人の雪が降りはじめてから雪がとけるまでの、淡くて切ない小さな恋の物語を映し出し、ハンバートハンバートによる主題歌「ぼくのお日さま」があたたかく包み込む映像に仕上がっている。
■『ぼくのお日さま』30秒予告編
<以下キャスト・監督のコメント>
◆吃音をもつホッケーが苦手な少年タクヤ役/越山敬達(こしやま・けいたつ)
タクヤ役を演じさせていただきました、越山敬達です。「ぼくのお日さま」は、僕にとって初の主演映画だったので、クランクインした時はこれまでにないほど緊張していました。ですが、すごく明るい現場で、キャストの皆さんやスタッフさんも優しい方ばかりだったので、一瞬で馴染めたし、撮影期間もあっという間に過ぎていきました。スケートをしながら何テイクも重ねたことは大変でしたがそれが報われる素敵な映像になっています。僕にとって「ぼくのお日さま」という作品が忘れられないように、皆さんにとってもきっと忘れられない作品になると思います!是非劇場に足を運んでみてください!!
◆荒川に憧れる、ませたスケート少女さくら役/中西希亜良(なかにし・きあら)
こんなすてきな作品に参加できて、本当に幸せで、ありがたくて、今でも信じられない気持ちです。演技もはじめてで緊張しましたが、奥山監督や池松さん、越山くん、そしてスタッフのみなさんがいつも助けてくれました。でもその分、スケートでは誰よりも頑張ろうと撮影に臨みました。とっても寒い冬の撮影現場でも、いつも心はあったかくて、この映画はそんな気持ちにさせてくれる作品だと感じています。たくさんの方に観ていただけたら嬉しいです。
◆監督・撮影・脚本・編集 / 奥山大史
主役となる二人を探すため、繰り返しオーディションを行い、スケートリンクにも度々足を運びました。その末に越山くんと中西さんに出会えたことは、本作にとって、この上なく幸せな出来事でした。スイッチを入れるべきシーンでは、グッと集中して役に入り込み、自然体でいて欲しいシーンでは、嘘のない無邪気さを見せてくれた越山くん。吹替やCGでは決して表現できない優雅な滑りを魅せ、初挑戦となるお芝居にもまるでスポーツのように粘り強く取り組んでくれた中西さん。この2人と池松さんの組み合わせだったからこそ生まれた奇跡のようなシーンが、本作には映っています。
9月、テアトル新宿、TOHOシネマズシャンテ ほか全国公開